舞台「歌舞伎町シャーロック」を観てきたので、その思い出をダラダラ書きます!
観劇のきっかけ
舞台ヒプノシスマイクで2023年まで伊弉冉一二三を演じていた、新木宏典さんが主演を務められるのがきっかけでした。カブキ町ナンバーワンホストを演じていたあの人が、新宿區イーストサイド歌舞伎町をどう生きるのか見てみたかった。原作のアニメも以前から気になっていたし、おまけに脚本は元々好きなかもめんたるの岩崎う大さん。これはもう運命、ありがとう。
会場に着くまで
東京ドームシティ内のIMMシアターという会場だったのですが、最寄りの水道橋駅を出て人の流れに乗っていったら知らないKPOPアイドルのライブ会場に着いてしまって焦りました。インフォメーションセンターで行き方を尋ねたら人生で一番わかりやすい道案内が聞けたので、みなさんもお越しの際は頼ってみてください!(そもそも迷う距離ではない)
開演まで
劇場に入った瞬間からセットが格好良かった!席は最後列だったけれどセンターブロックで、映画館くらい見やすかったのでラッキー。そこまで舞台が遠い感じもしませんでした。客層は女性多めの老若男女だったかな。トイレは開演20分前頃から並んで、列が長かったのでひやっとしたけど回転が早く10分前に座席に戻ってこられました。
舞台の感想
以下、舞台自体の感想です。ネタバレは含まないつもりですが、全く知らないで観たい人は5月30日(木)までこちらから配信が買えます!
舞台セット
初手、セット?って思われるかもしれないんですけど良かったので。開演前から格好良いなと思っていた鉄骨は、開演するとどんどん動く(キャストが動かす。演劇っぽいね!)。イーストサイド歌舞伎町の雑踏や哀愁を表現するのに欠かせない存在でした。あと舞台上に銀紙で包まれた巨大な棒みたいなものが何本か立っていて、何だろうと思っていたのですが、照明が当たるとこれが完全に街の明かりになる。魔法かと思いました。映像作品と違って、舞台は非常に限られた時間と空間で世界を作り上げなければならない。その工夫が見えて、舞台って本当に面白いなと思いました。不自由って面白いんだ。
脚本
原作のアニメを観ておらず、推理要素もあるらしいけどついていけるかな?と少し不安に思っていたのですが、まったく問題ありませんでした。新鮮に謎解きを楽しめたので、むしろアニメを観たことがなくて良かった。アニメは週に1回30分ずつ噛み締めて観られる良さがあると思うのですが、クライマックスに向けて物語が一気に加速するスピード感は舞台だからこそではないかと。アニメ1シーズンのおよそ12話分を100分の舞台にしているのに、端折った感じが全然なく、各キャラクターがきちんと描かれているので観終わる頃にはみんな好きになってました。
演技・演出
※ここからちょっとネタバレ要素増えるかもしれません。あと舞台ヒプノシスマイク(通称ヒプステ)の話も入ってくるので、ご存知ない方は雰囲気でついてきていただければ。
演技ですが、メインビジュアルに載るキャラクターたちはもちろんのこと、アンサンブルキャストも存在感があってとても良かったです。終わってからグッズを見て、あのキャラもあのキャラもブロマイドないのか!って驚いたくらい。
新木さん演じるシャーロック・ホームズは、わかりやすくいえばデスノートのLみたいな人を寄せ付けない変人。ヒプステの一二三は温かく、王子様みたいな輝きに満ちていましたが、シャーロックは彼の周りだけ一段静かなような、静の存在感がある人物です。声質は一二三を連想させるところがあるのに存在がまったく別物で、自分の声のままここまで変われるかと。歩き方も一二三のときは一分の隙もない王子様だったのに、シャーロックは猫背で頓着のない感じで、ただ歩いて出てきただけで変人なのがわかる。新木さんの自分が持っているルックスやキャラクターに甘んじず役と誠実に向き合うところ、尊敬するなって改めて思いました。
シャーロックは謎解きを落語でするのですが、この「推理落語」を披露する場面では客席がうっすら明るくなって、寄席みたいにみんなで拍手するのが楽しかった。ただ落語をするのではなく、落語で謎解きを始める変な名探偵を演じていることが伝わるように、シャーロックの延長線上で推理落語ができるのも新木さんすごい。
終わりに
面白かったー!歌ったり踊ったりラップしたりしなくても舞台ってやっぱり面白い!2.5次元的なもので歌や踊りが入らない作品は初めて観たのですが、芝居だけでどんどん盛り上げていく感じがこれはこれで好きでした。こういうのもっと観たいなと思うけど、
- アニメか漫画原作
- 歌やダンスなし
- コメディ
- 推理もの
ってジャンルめちゃくちゃ狭いな。今回、歌舞伎町シャーロックに出会えて良かったです。舞台はほとんどヒプステしか行けてなかったけど、いろいろ観ていければいいなって思いました。
……開演前後の会場アナウンスの「客引きの言葉は、すべて、嘘です」って何だったんだろう?